<秋田魁新聞 第41862号>
成年女子初の頂点 少年男女に続いた 連日の“大将戦決着”
1-1で迎えた決勝の大将戦。
緊迫した雰囲気の中、
堀川智子(県連盟、ふるさと選手)が2本目のコテを決めた瞬間、
会場は一気に歓喜に包まれた。
悲願の初優勝。
大高尚士監督(県連盟)は「みんなの輪でつかんだ勝利だ」
とたたえた。
3人制の成年女子。
候補選手10人の中から3人を選ぶのは、
「本当に心苦しかった」(大高監督)。
チームをまとめてきた遠藤律子コーチ(県連盟)も
「Bチームでも国体で戦える力がある」
というほど実力は接近。
決勝では、
出場できない候補選手も同じ気持ちで戦おうと道着を身に着け、
声援を送った。
1年前から1ヶ月のうち1週間は県外遠征の生活を続けた。
9月に入ってからは、ほぼ毎日のように練習。
半数が既婚者。子育て中の主婦もいる。
長い間、家を留守にしたり、夕飯の支度が遅れたり、
家庭を犠牲にすることもあった。
そうした苦労を共にした選手たちだからこそ
培われたチームワーク。
堀川も、住まいのある埼玉県から月1ペースで来県。
遠征先にも合流しチームに溶け込もうと努めてきた。
準決勝の東京戦。
負けを喫し
自信なさげな表情を浮かべる中堅・中村亜希子(大曲養護学校教)を
チームメートがみんなで励ました。
勇気付けられた中村は、決勝で気を吐いた。
先鋒が敗れ、0-1と後がない場面で登場。
相手の出ばなを突く素早い動きでメンを決め、堀川につないだ。
試合後、メンバーは肩を抱き寄せてうれし涙を流した。
日体大時代の先輩で中村と代表の座を争った山田朋子(秋田市)は
「一緒にやってこられて幸せだった。優勝できて報われた思いだ」
と目を潤ませた。
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