>>>本文より抜粋
お互いの心が響き合ってから初めて打ち出す大事さを知る
東海林一義 錬士六段
過去、基に立たれた先輩から3点ほどアドバイスをいただきました。まず絶対に退がるな。
次に剣先を中心から外すな。
そして三つめが相面を制せと言われ、そのタイミングを徹底的に叩き込まれました。
それらを普段の稽古で心掛けてやってきました。
12月には有志の協力により1時間半の立切りを2回行うことができ、
本番に向けていくらか感じは掴めたと思っていたのですが、
1週間程前からいろんなことを考えてしまい、気が狂いそうでした。
しかし3日前、ある先生から渡された1枚の文章で気持ちが吹っ切れました。
そこにはその時の私と同じ心理状態の主人公が描かれており、
読み終えてから恐いと思うから恐いんだ。
打っても打たれてもいい、自分の気持ちに負けないようにすることが大切ではないか
と考え始めたら、気分がスッキリしてきました。
立切りの最中は、皆さんの熱い気持ちがひしひしと伝わってきて嬉しく、
特に後半は涙が自然にこぼれてきてよく前が見えませんでした。
この経験から、言葉ではうまく表現できませんが、
お互いの心が響き合って初めて打ち出すのが大切なんだと思いました。
【たのもうや@武道具店】 seiko write