<秋田魁新聞 第41861号>
試練に耐え夢手中 剣道少年男子優勝 底力見せ強豪撃破
おれたちが日本一だ―。
表彰式を終え、雄たけびを上げる選手。
大阪、山形など強豪を破った準決勝までの勢いをそのままに
「日本一」の座をつかんだ少年男子。
湯澤寛監督(秋田南高教)は
「中学まで目立った実績のないメンバー。
その分、厳しい練習を課したが、選手はそれについてきてくれた。
日本一になるための、日本一の練習だった」
と誇らしげに語った。
決勝の相手は、高校総体優勝の龍谷高でメンバーを固めた佐賀。
今大会、
準決勝まで3戦全勝の先鋒・菊地裕志選手(秋田商高2年)は、
「先輩が後ろに控えてきたので安心して試合ができた」
と鮮やかに2本勝ちし、チームを勢いづけた。
三十日の夜、
携帯電話にこれまで支えてくれた母から励ましのメールが届き、
「燃えました」と副将の岩川力主将(秋田南高3年)。
今大会、
初めて1-2とリードされた場面での出番となったが、
持ち味の安定感を発揮して2本奪い、試合は五分に。
佐賀に傾きかけた流れを引き戻した後の大将・佐々木真直選手(同)は、
相手の一瞬のすきをついてメンを奪い、
全員が一丸となって目指してきた「全国制覇」を手繰り寄せた。
「とにかく湯澤監督に必死でついていった」
と佐々木選手。
試合後、
面をつけたまま涙をこらえ切れなかった表情が、
選手たちのこれまでの苦しさを物語っていた。
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