<秋田魁新聞 第41861号>
若き剣士歓喜の涙 剣道少年女子優勝「9人の思い」結実
2-2で迎えた緊迫の大将戦。
「何とかしなきゃ」と無心で放った
神坂友絵選手(秋田北高2年)のメンが鮮やかに決まった瞬間、
会場がどっと歓喜に包まれた。
代表選手の5人全員が初めて経験する全国大会の決勝戦。
代表から外れた候補選手4人もサポート役として行動を共にし、
精神的な支えとなった。
代表から漏れた選手を含む9人は、
いずれも秋田北高、秋田商高の選手。
ほとんどが小学生のころから共に腕を磨いてきた仲間だ。
9月4日に国体メンバーが発表された後も、
秋田北高に集まって合同練習を重ね、
土日はすべて遠征に費やすなど、苦楽を共にしてきた。
決勝が終わった会場の一角。
9人は目を潤ませながら抱き合って勝利を喜んだ。
次鋒を畑澤咲選手(秋田商高2年)と争った
長門恵美選手(秋田北高3年)は
「代表にはなれなかったけど、仲間の活躍に本当に感謝している」。
副将の貝田理沙選手(同)は、
本県成年男子ふるさと選手の父・裕昭さん(山形県教育庁)の
古里で開催される国体での活躍を目指し、
山形三中から秋田北高に入学した。
2週間前の練習で腰を痛めていた貝田選手。
副将戦で2-2に追いつく価値ある勝利の陰には、
立ち上がることさえままならぬ貝田選手を励まし続けたチームワークがあった。
「全員が頑張ったから最高の終わり方ができたんだよ」
と木浪恒二監督(秋田北高教)。
この瞬間を選手と一緒に夢見てきた監督の目にも、光るものが見えた。
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